見晴らしのいい田園風景にポツンと建つ平屋で、製品設計開発や試作品の製作をしている。スタッフは皆若いが、自動車や医療、FAなど、幅広い分野の名だたるメーカーから信頼を得ている。3Dプリンタといった最新のツールは、迅速なものづくりを顧客に約束するだけではない。若い技術者に、失敗を恐れずにアイデアを繰り返し試す意欲を与える。挑戦できる環境がものづくりを変えるのだ。
設計開発業務では、面の美しさまで意識した筐体設計、精密なメカニズム設計、2次元デザイン図からの3次元CADデータ化設計も手がける。他に、デジタルクレイツールを用いたモデリング、樹脂切削、デザイン塗装など、造形・試作も得意とする。近年、量産樹脂で部品試作を迅速かつ安価にできるデジタルモールド技術も開発した。
完全地産プロジェクトは、スワニーの橋爪社長が仕掛けた。いわば旗振り役だ。日本のものづくりの主役・町工場がものづくりを続けるには、完成品をつくるしかない。1社で内製化できないなら、技術や設備を持つ者同士が近場でつながればいい。仲間を巻き込んだ張本人が驚いたことがある。それは、「つくるプロが『売る』を意識すると、『造る』仕事への向き合う姿が変わる」ことだった。メンバーの顔が次第に明るくなってきたと言う。
橋爪社長は、本プロジェクトのプロデューサーとして、商品の企画から、生産体制の構築、販売戦略の立案、広報活動などすべてに関わってきた。「サクラコマ」も「トコトコイーナちゃん」も「タオレネード」も、もちろんスワニーの設計であり、どの製品についても短納期で発売にこぎ着けられたのは、同社の設計力と試作品製作が土台にあったからだ。
「もっと何かできないか。もっとうまくできないか」同社がデジタルモールドという技術を生んだように、本プロジェクトでの経験が、町工場に新しい技術の創出を促そうとしている。
製造業ご当地お土産プロジェクト
完全地産
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